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骨粗しょう症とは?検査方法や検査を受ける年齢について

2023年6月15日

骨粗しょう症は、国内で1,280万人の患者がいるとされ、特に女性に多くみられる病気です。

骨粗しょう症になると骨折しやすくなり、骨が折れていても気づかない場合もあります。また、背中や足の付け根の骨折が起こると、日常生活に支障をきたすおそれがあります。

骨粗しょう症は、症状に気づいたときには、すでに進行してしまっていることが少なくありません。初期の段階で自覚するのが難しいからこそ、定期的な検査をうけることが大切です。

そこで今回は、骨粗しょう症の検査についてご紹介します。

骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症とは?検査方法や検査を受ける年齢について

骨粗しょう症は、「骨量」が減少し、「骨質(=骨の質)」も低下したことで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気のことです。

骨量は主にカルシウムの量で決まり、骨密度ともいわれます。骨質は、骨の微細な構造や骨代謝状態など、骨量以外のさまざまな要素で決まります。

骨の強さのうち70%は骨量で、残りの30%は骨質で決まると考えられています。

骨粗鬆症で骨がもろくなった高齢者は、大腿骨頸部骨折という脚の付け根あたりの骨折を多発します。大腿骨頸部骨折を起こすと、ほとんどの場合は、立つことや歩くことができなくなります。

下のグラフのとおり、介護が必要になった原因のうち12.5%を骨折・転倒が占めています。骨粗しょう症による大腿骨頸部骨折も関係しており、いかに寝たきりの原因になっているかがお分かりいただけることでしょう。

介護が必要となった主な原因

参照:厚生労働省|国民生活基礎調査(2019年)「統計表・第15表 現在の要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合」より

骨粗しょう症で気をつけたい部位は?

骨粗しょう症で骨折しやすいのは、背骨や脚の付け根、腕の付け根、手首です。くしゃみをしたり、つまずいてとっさに手で体を支えたりといった、ささいな動作でも骨折することがあります。

さらに、体の重みで押し潰れてしまうと圧迫骨折を起こすことがあり、背中や腰が曲がる原因になるおそれがあります。

骨折しても気づかずにいると、周囲の骨に負担がかかり、連鎖的な骨折につながるリスクがあるため、骨粗しょう症は早期発見・早期治療が重要です。

骨粗しょう症の検査方法

骨粗しょう症の検査には、骨量を調べる「骨密度測定」のほか、血液や尿による検査や、レントゲン検査などがあります。

骨密度測定

骨密度測定では、骨の1平方センチメートルあたりにどれだけカルシウムやリンなどのミネラル成分が含まれているかを明らかにします。検査結果では、若い人の骨密度の平均値と比べて、自分の骨密度が何%であるかが分かります。

骨密度測定には3つの方法があります。いずれも比較的容易に検査をすることが可能です。

【DXA(デキサ)法】

エネルギーの低い2種類のX線を使って測定する検査です。背骨や前腕など、全身のほとんどの骨を測ることができます。検査着に着替えて横になり、数分じっとしていれば終わることがほとんどです。

【MD法】

手の骨密度が分かる検査です。両手のひらをアルミニウム板がある台に載せてX線撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比べることによって測定します。骨粗鬆症の診断に用いることができて、被ばく量が少ないのが特徴です。

当院では、MD法による骨密度検査を受けられます。

【定量的超音波測定法】

かかとやすねの骨に超音波を当て、骨の強さを調べる検査です。骨粗しょう症の診断には使われませんが、X線を使用していないため、妊娠中の方でも測定することができます。

ただ、精度がやや低いため、当院ではこの方法は採用しておりません。

血液や尿による検査(骨代謝マーカー)

骨は、古い骨を壊す「骨吸収」と新しい骨を作る「骨形成」によって新陳代謝を繰り返し、健康な状態を維持しています。新陳代謝の過程では、骨からさまざまな物質が血液に流れ出たり、尿として排泄されたりします。

血液や尿を用いた検査(骨代謝マーカー)では、こうした骨代謝の速度を調べることができます。

骨代謝マーカーが高い人は、骨密度の減少速度が速く、骨粗しょう症による骨折のリスクが高いため注意が必要です。

レントゲン検査

背骨(胸椎や腰椎)のX線撮影をすることで、骨折していないか、骨が変形していないか、骨粗しょう症化によって骨がスカスカになっていないかを調べる検査です。

骨粗しょう症によってすでに骨折している場合は、そうでない場合と比べてさらに骨折しやすいとされています。また、骨粗しょう症とほかの病気を区別するためにも必要な検査だと考えられています。

その他、身長測定や問診を行うことも

25歳のときの身長と比べてどの程度背が縮んでいるかを知ると、骨粗しょう症の診断がしやすくなるため、身長測定を行う場合があります。

また、問診によって食事や運動といった生活習慣を質問されたり、最近気になる症状はないか、これまでの病歴などを医師から質問されたりする場合があります。

何歳から受ければいい?骨粗しょう症検査の疑問

骨粗しょう症の検査にまつわる、よくある疑問について解説します。

骨粗しょう症の検査は何歳から?

女性の場合は、骨量が低下し始める50歳前後を目安に受けると良いでしょう。また、閉経後は1年に1回を目安に検査を受けることがすすめられています。

男性は、糖尿病や慢性腎臓病といった骨粗鬆症の原因となる病気にかかっていなければ、70代後半ごろから検査を受けると良いでしょう。

一方で、骨量の変化が少ない20代~40代の内に一度検査を受けておくと、老年期の骨粗しょう症予防に役立ちます。

検査費用の目安は?

保険適用の場合は1,100円程度、保険適用でない場合は3,700円程度がひとつの目安となります。詳細は検査を受ける医療機関に確認しましょう。

検査は何科で受けられる?

骨粗鬆症の診療科は整形外科が基本ですが、内科や婦人科の医師が診ることもあります。内科の診療を行っている当院でも、骨粗しょう症の骨密度検査や注射による治療を行っています。

自治体が実施する検診はある?

公的検診として、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の女性を対象とした、骨粗鬆症検診が行われています。検診は保健所や保健センター、指定医療機関で受けられます。

健康診断でも受けられる?

骨密度検査は一般的な健康診断の項目には含まれていませんが、オプション検査として選べる場合があります。健康診断の一環で検査を受けたい場合は、事前にご確認の上、あわせて申し込むと良いでしょう。

骨粗しょう症の検査・治療は豊島医院へ

これまで骨の健康について考えたことがなかった方は、この機会に一度、骨密度検査を受けてみませんか?

自分の骨密度を知ることで、骨粗しょう症予防の意識が高まりますし、もし症状が認められた場合も早期治療が始められます。

豊島医院では骨密度検査を実施しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。