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咽頭結膜熱(アデノウイルス)流行に冬も注意!潜伏期間や症状は?

2023年11月24日

夏風邪のイメージをもたれがちな咽頭結膜熱(アデノウイルス)ですが、冬の流行にも注意が必要です。そこで今回は、咽頭結膜熱の症状や潜伏期間、そして発生状況(秋田県内の情報含む)について解説します。

 

咽頭結膜熱とは?

咽頭結膜熱とは、アデノウイルスによる急性ウイルス性感染症です。主に感染するのは子ども(小児)で、感染者の約6割を5歳以下が占めています。 咽頭結膜熱は「プール熱」と呼ばれることがあります。これは、プールでの接触やタオルの共用により感染することもあるためです。ただし、現在のプールは十分な塩素管理がされているため、ほかの風邪同様にプール以外の感染が主となっています。

咽頭結膜熱の感染経路

咽頭結膜熱の主な感染経路は、飛まつ感染と接触感染です。飛まつ感染とは、患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによる感染です。接触感染は、ウイルスが付着した手やタオルなど患者が触れたものを介した感染を指します。 乳幼児が咽頭結膜熱に感染した場合、おむつを交換をする大人はウイルスが含まれている患者の便を介した感染に注意が必要です。おむつを交換した後は、流水・石けんによる手洗いを徹底しましょう。

咽頭結膜熱の潜伏期間と症状

咽頭結膜熱(アデノウイルス)の潜伏期間は、5~7日程度とされています。 咽頭結膜熱の主な症状は、発熱、のどの痛み(咽頭炎)、結膜炎(めやに・目の充血など)です。また、頭痛や食欲不振、全身倦怠感、リンパ節の腫れ、腹痛、下痢、吐き気などの症状があらわれる場合もあります。重症化した場合は、肺炎などを合併することがあります。

咽頭結膜熱は何日くらいで治る?

咽頭結膜熱の症状が治るまでには、早くても数日程度かかり、長ければ治るまでに1~2週間かかる場合もあります。また、高熱が比較的長く(5日前後)続くことがあるのも咽頭結膜熱の特徴です。咽頭結膜熱には特別な治療法がないので、症状に応じた対処療法が中心となります。

 

冬も注意!咽頭結膜熱の発生状況について

咽頭結膜熱(アデノウイルス)は通常、6月ごろから徐々に流行しはじめ、7~8月にピークを迎えるとされています。しかし、アデノウイルスは年間を通じて存在するため、夏以外の季節も感染する可能性があります。2003年からは、冬季にも流行のピークが明確にみられるようになりました。 国立感染症研究所の報告によると、2023年10月30日〜11月5日の時点で、咽頭結膜熱の定点当たり報告数が3週連続で増加しています。また、過去5年間の同時期と比較してかなり増加している傾向なので、冬でも流行の拡大に注意が必要です。 参考:国立感染症研究所『感染症発生動向調査週報 (IDWR)/2023年第44週(10月30日〜11月5日)』 https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2023/idwr2023-44.pdf

秋田県でも咽頭結膜熱の流行に注意

秋田県感染症情報センターによると、2023年11月19日時点で感染者は増加の傾向にあり、注意が促されています。秋田県内の患者発生状況を見ると、北秋田市や由利本荘市、大仙市、大館市では特に感染者が多い傾向です。 秋田県はほかの都道府県と比べると咽頭結膜熱の感染者が少ないですが、冬の流行に備えて、今後も発生状況の推移を追って感染予防を心がけましょう。 参考:秋田県感染症情報センター http://idsc.pref.akita.jp/kss/

 

咽頭結膜熱の出席停止と大人の出勤停止について

咽頭結膜熱にかかったらどうすればいいのでしょうか?子どもの出席停止と大人の出勤停止、それぞれについて解説します。

咽頭結膜熱と出席停止について

子どもが咽頭結膜熱にかかった場合、出席停止の処置がとられます。学校安全法という法律で、咽頭結膜熱は、学校において予防すべき第二種の感染症に指定されているためです。 咽頭結膜熱の場合、主な症状(発熱、のどの痛み、結膜炎)が治まってから2日が経過するまで出席停止となります。ただし、 病状により医師が感染のおそれがないと認めたときはこの限りではありません。子どもの登校・登園を再開するタイミングは、学校医やかかりつけ医に相談すると良いでしょう。

咽頭結膜熱と大人の出勤停止について

大人が咽頭結膜熱に感染した場合は、出勤停止しなければならないという法律はありません。しかし、無理をすると症状が重くなったり、長引いたりする傾向があるので、休養をとるのが望ましいとされています。 自宅で療養することは周囲に感染を広げないことにもつながるので、症状が治まるようにしっかりと身体を休めましょう。出勤するタイミングについては、かかりつけ医にご相談ください。

 

咽頭結膜熱に感染したら何科を受診する?

咽頭結膜熱に感染した場合、初診に適しているのは内科や小児科です。また、眼の症状が強い場合は眼科での治療が必要になることがあります。咽頭結膜熱はほとんどの場合で自然に治りますが、吐き気や頭痛の強いとき、激しい咳が出るときは、早めに医療機関を受診してください。 家族や同居人が咽頭結膜熱に感染していると分かったら、できるだけ密接な接触は避け、こまめに手洗い・手指消毒・うがいを心がけましょう。

当院にもお気軽にご相談ください

咽頭結膜熱にかかったかもしれない、つらい発熱やのどの痛みが続いているといった場合は、まずは当院へご相談ください。豊島医院では内科・小児科の診療を行っていますので、大人からお子さんまで幅広い方の症状に対応いたします。 地域のかかりつけ医として、そして子どもの総合医として、患者さんとご家族に寄り添ってまいります。急な症状でお困りの場合もご相談ください。