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熱中症の症状・警戒アラート・予防を知って暑さに備えましょう

2024年7月16日

熱中症とは、気温や湿度が高い環境に長時間いることで体温の調節がうまくできなくなり、体内に熱がこもってしまう状態です。梅雨明け後の夏に多いイメージですが、近年では5月から多く発生しています。

 

熱中症は屋外だけでなく、室内で何もしていないときでも発症することがあるので日ごろから予防に努めることが大切です。

 

そこで今回は、2024年4月から運用が開始された「熱中症特別警戒アラート」のほか、症状や予防対策について解説します。

熱中症特別警戒アラートとは、広域的に過去に例のない危険な暑さが予測される場合に国が発表する情報です。都道府県すべての暑さ指数情報提供地点における、翌日の日最高暑さ指数(WBGT)が35(予測値)に達する場合等に発表されます。

 

似ている言葉に「熱中症警戒アラート」があります。こちらは、特定の地域で気温が著しく上昇し、熱中症の発生リスクや健康に関する被害が生じるおそれがあると伝えられる情報です。

 

■情報はどこで見ればいい?

熱中症特別警戒アラートや熱中症警戒アラートは、環境省の「熱中症予防情報サイト」のほか、ニュースや天気予報でも確認できます。

 

暑さ指数とは?

暑さ指数(WBGT)は、熱中症の予防を目的として1954年にアメリカでつくられた指標です。

 

暑さ指数は4つの段階で構成されており、厳重警戒(28以上31未満)になると、熱中症がすべての生活活動でおこる危険性があるとされています。危険(31以上)になると、高齢者は安静状態でも発生する危険性が大きいとされています。詳細は下記の表をご確認ください。

 

熱中症が発生しやすい時期は、熱中症特別警戒アラートや熱中症警戒アラートの有無とあわせて暑さ指数も確認しましょう。暑さ指数が高いときは、「外出はできるだけ控え、暑さを避ける」「高齢者など熱中症のリスクが高い方に声かけをする」「普段以上に熱中症予防を心がける」ことが大切です。

 

熱中症の症状と応急処置

熱中症の症状には頭痛やめまい、体のだるさなどがあり、重症度によってあらわれるものが異なります。ここでは、重症度別に熱中症の症状を解説し、あわせて応急処置も紹介します。

 

重症度Ⅰ度の症状(軽症)

熱中症が比較的軽症のときは、めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状があらわれます。ほかにも、筋肉痛、筋肉のけいれん、こむら返り、汗が止まらないなどの症状が出る場合もあります。軽度の熱中症では意識がはっきりしており、現場で応急処置できるケースが多いです。

 

■熱中症・重症度Ⅰ度(軽症)の応急処置

軽度の熱中症が発生したら、涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて体を冷やして水分と塩分を補給します。冷却は、保冷剤や氷枕などで両側の首筋、わき、足の付け根などを冷やすと良いでしょう。症状が良くならなければ医療機関を受診してください。

 

重症度Ⅱ度の症状(中等度)

中等度の熱中症では、体がぐったりして力が入らないほか、吐き気や嘔吐、頭痛、下痢などの症状みられます。

 

■熱中症・重症度Ⅱ度(中等度)の応急処置

中等度の熱中症では、軽症のときと同じように涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて水分と塩分を補給します。ただし、下記に当てはまるときは、すみやかに病院へ搬送する必要があります。

 

・最初から症状が強い

・吐き気や嘔吐などで水分補給ができない

・処置をしても症状が良くならない

・意識が何となくおかしいと感じることがある

 

重症度Ⅲ度の症状(重症)

熱中症が重症化すると、体温が高い(皮膚を触るととても熱い)、呼びかけに応じない、まっすぐ歩けない、自分で水分補給ができない、けいれんなどの症状があらわれます。意識がない状態の場合は、入院して集中治療を受ける必要があります。

 

■熱中症・重症度Ⅲ度(重症)の応急処置

救急車を呼び、到着までの間は涼しい場所で積極的に冷却をします。熱中症を強く疑わせる情報があるときは、搬送時に積極的に伝えましょう(暑い環境でそれまで元気だった人が突然倒れた……など)。医療機関が熱中症の処置を即座に開始するのに役立ちます。

 

熱中症を予防するには?

ここでは、熱中症予防につながるふたつのポイントを紹介します。

 

暑さを避けましょう

室内・屋外を問わず暑さを避ける工夫をしましょう。室内では扇風機やエアコンで温度を調節するほか、遮光カーテンやすだれなどの活用もおすすめです。屋外にいるときは日傘や帽子を着用してなるべく日陰で過ごし、こまめな休憩をとるようにしましょう。

 

このほか、通気性が良くて速乾性のある衣服を着用したり、保冷剤などで体を冷やしたりするのも有効です。

 

こまめに水分を補給しましょう

室内・屋外を問わず、のどの渇きを感じていなくても、こまめに水分を補給しましょう。水分補給は、1日あたり 1.2L が目安です。熱中症予防に適した飲み物には、経口補水液やスポーツドリンク、冷やした味噌汁などがあります。

 

飲料水やノンカフェインのお茶(麦茶など)で水分を補給する際は、塩タブレットや梅干しなどで塩分を一緒にとることも心がけましょう。

 

熱中症予防のために体調管理も心がけましょう

体調が悪いと熱中症にかかりやすくなるので、ご自身やご家族の体調の変化に気をつけましょう。体調がすぐれないときは無理をせず、回復するまで暑いところでの活動は控え、しっかりと休息をとることが大切です。

 

気になる症状や健康に関するお悩みがございましたら、地域のかかりつけ医である当院にもご相談ください。しっかりと体調管理をして、暑い季節を乗り切りましょう。