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インフルエンザの基礎知識:潜伏期間・症状・ワクチン・予防を解説

2024年9月20日

インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症です。よく聞く名前ですが、一般のかぜと比べて症状が重くなりやすいといわれています。

 

インフルエンザは流行の程度やピークの時期がその年によって異なるので、常に予防を心がけることが大切です。そこで今回は、インフルエンザの潜伏期間や症状、感染力、ワクチンや予防対策について分かりやすく解説します。

 

インフルエンザの感染力と感染経路

インフルエンザウイルスは増殖のスピードが速く、1個のウイルスが細胞に感染すると、1日で100万個になるとされています。そのため、インフルエンザの感染力は非常に強く、日本では毎年約1千万人、約10人に1人が感染しているといわれています。

インフルエンザのうつる期間(感染期間)

インフルエンザがうつる期間の目安は、発症前日から発症後3~7日間です。この期間は鼻やのどからインフルエンザウイルスが排出されているため、外出を控える必要があります。

 

排出されるウイルスの量は解熱とともに減少する傾向ですが、解熱後もウイルスを排出することがあるといわれています。

インフルエンザウイルスの感染経路

インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。それぞれの違いは次の通りです。

 

・飛沫感染…咳やくしゃみで口から飛び散る小さな水滴(飛沫)による感染

・接触感染…ウイルスの付着した物(ドアノブ、手すりなど)を介した感染

例年の流行時期は?

日本では例年11月下旬~12月上旬ごろに流行が始まり、翌1~3月ごろに流行のピークを迎えます。

 

ただし、インフルエンザがどのくらい流行するかという程度や、流行のピークはその年によって異なります。そのため、夏に感染者が発生することもあります。

 

インフルエンザの潜伏期間・症状をチェック

インフルエンザウイルスはA型、B型、C型、D型に大きく分類され、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。ここでは、A型またはB型インフルエンザの主な症状を解説します。

潜伏期間から発症まで

インフルエンザの潜伏期間は1~3日間ほどです。潜伏期間の後に発熱(通常38℃以上の高熱)や頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの症状が突然あらわれます。これらに続いて、咳や鼻水といった上気道炎症状があらわれます。

 

高齢者や小さい子ども、妊娠中の女性、持病のある人はインフルエンザが重症化しやすいため、特に注意が必要です。

インフルエンザとかぜの違いは?

インフルエンザは、かぜと比べて全身症状(発熱や倦怠感、食欲不振、関節痛、筋肉痛など)が強いのが特徴です。かぜの多くは咳やくしゃみ、のどの痛み、鼻水などの症状が中心で、発熱はインフルエンザほど高くない傾向があります。

 

かぜとインフルエンザの違いをまとめた表もご参考ください。

 

インフルエンザかな?と思ったら

インフルエンザを疑う症状が出たら、無理をして学校や職場などに行かないようにしましょう。そして、こまめな水分補給をしながら安静にして、休養をとるようにしてください。

 

また、周りの人に感染を広げないようにマスクを着用し、咳エチケットを心がけましょう。咳エチケットを実践する際のポイントは次の3つです。

 

1)鼻~あごまでを覆うようにマスクを着用する

2)咳やくしゃみが出るときは、ティッシュ・ハンカチなどで口や鼻を覆う

3)ティッシュ・ハンカチがないときは上着の内側や袖で覆う

 

また、口と鼻を覆ったティッシュは 、すぐにゴミ箱へ捨てましょう。

何科を受診する?医療機関を受診するタイミングは?

インフルエンザの疑いがあるときは、内科や小児科を受診しましょう。

 

発症から48時間以内に医療機関を受診するのが望ましいですが、発熱後12時間未満の場合、検査の結果が陽性にならないことがあります。そのためインフルエンザの検査は、発熱後12時間以上経過してから受けるのがおすすめです。

 

ただし、次の症状がみられる場合は早めに医療機関を受診してください。

 

・高熱が続く

・呼吸が苦しい、呼吸が速い

・意識状態がおかしい

・顔色が悪い

・おう吐や下痢が続く

・胸の痛みが続く

インフルエンザの治療とお薬について

インフルエンザの治療では、抗インフルエンザウイルス薬(タミフル、リレンザなど)を用いることがあります。

 

抗インフルエンザウイルス薬を適切な時期(発症から48時間以内)に服用すると、発熱期間を1~2日間短縮して、ウイルス排出量が減少する効果が期待できます。ただし、服用が遅れた場合は十分な効果は期待できません。

 

また、抗インフルエンザ薬の投与は必須ではないため、病状などにより使用するかどうかを医師が慎重に判断します。

 

抗インフルエンザ薬を用いた治療のほかに、症状を和らげるために対症療法が行われる場合もあります。対症療法では、高熱に解熱鎮痛薬を用いたり、痰が出て細菌の二次感染が疑われる場合には抗菌薬を用いたりします。

出席停止と出勤停止について

インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)は、学校保健安全法で第2種の感染症に定められています。そのため、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで出席停止とされています。

 

社会人がインフルエンザに感染した場合、学校の出席停止のように出勤停止にする法的な基準はありません。しかし、感染を広げないためには、すぐに上司へ報告し、安静にするのが望ましいでしょう。

 

インフルエンザで会社を休んだとき、有給休暇として扱うか、欠勤・病欠扱いになるかなどは各企業の判断によって異なります。勤務先の就業規則で確認すると良いでしょう。

 

インフルエンザの予防対策とワクチン接種

インフルエンザの感染を広げない、または重症化させないために知っておきたい、予防対策やワクチン接種について解説します。

インフルエンザの予防対策

インフルエンザの感染を防ぐためには、日ごろから次の予防対策を心がけましょう。

 

・流行期は混雑を避ける

・マスクを着用する

・外出後にうがいや流水・石鹸による手洗いをする

・アルコール製剤で手指を清潔に保つ

・こまめに換気する

・室内を適切な湿度(50~60%)に保つ

・十分な休養と栄養バランスのとれた食事をとる

 

重症化しやすい人が近くにいるときや、人混みが避けられないときは、特にマスクを着用することが望ましいです。換気は、対角線上にあるドアや窓を2か所開放すると効果的です。

インフルエンザワクチンの効果・副反応について

流行前のインフルエンザワクチン接種には、発症をある程度抑えたり、重症化や合併症の発生を予防したりする効果が期待できます。また、高齢者がワクチンを接種すると、接種しなかった場合に比べて、入院の危険を約1/3~1/2に減少させることが期待できます。

 

13歳以上の場合、インフルエンザ予防接種の接種回数は1回が原則です。65歳以上の方をはじめ、定期の予防接種が対象になっている方もいらっしゃいます。詳細はかかりつけ医にご相談ください。

 

【インフルエンザワクチンの副反応】

インフルエンザワクチンの主な副反応は、接種した場所の赤み、はれ、痛み、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などです。副反応は通常2~3日で消失します。

さいごに

豊島医院では内科や小児科の診療を行っております。インフルエンザに関するお悩みは、地域のかかりつけ医である当院までご相談ください。